2月2日

やはり眠れない。久しぶりに炭酸水を飲んだけれど均一でない泡に翻弄されて持て余してしまった。明日……眠りから覚めたら恋人がご家族と一緒に名古屋に遊びに来てくれる。顔を突合せて話すより、車の中でお話する方が気負わなくていいでしょうというお気遣いではあろうけれど、人の顔色を読めないままに会話するのが苦手である私にとっては、ほぼ面接と変わらない。しかし、恋人のご家族のことは勝手ながら大好きなのだ。好意を持つ方々と一日を共にできる喜び。自分が上手くお話できるかという心配。双方が混じり合いせめぎあい、なかなか目を閉じられずにいる。いっそ起きたままいた方がいいのでは?いや、そうしたら体力がもたない。とりあえずお食事の準備のお手伝いをさせていただけるようなので手を綺麗に整えておこう。

土曜日はおそらく神社巡り、日曜日はいちご狩りに恵方巻き。たくさん予定があるから眠らなくては。その前にアイロンをかけて、服を整えて。意外とやるべきことは多いものね。

今夜も読んでくださったあなた、ありがとうございます。おやすみなさいませ、よい夢を。

2月1日

いつの間にか2019年になっていて、しかも2月が始まっていた。休職をしたのは去年の10月からか。会社で働いていた時の記憶も、休職している間の記憶も、薄い靄の向こう側にあるようで取り出すのに苦労する。実際のところ、昨日何をしていたかもなかなか思い出せない。

備忘録としてのTwitterを朝一で起動して、昨日の自分の呟きを頼りに今日の予定を立てる。その繰り返し。それでも思い出せないことは多いので、カメラロールを眺める。昨日、一昨日。恋人の顔があらわれる。昔は絶対に撮らなかったであろう様々な写真。抱きついていたり、くちづけていたり、寄り添って眠っていたり。写真に残っていれば安心だ。確かにその時間があったのだとあとから思い返せるから。写真を見返して、LINEを起動する。固定してある恋人のLINEに朝の挨拶を置き、二つ三つ下。昨日や一昨日何か約束していないか確認する。うっかり予定が被ってしまったら困るから。iPhoneカレンダーとBetween、両方に予定を入れる。恋人は優しいのでおはようと返してくれる。おはよう、好きだよ。今日の予定は?――私も、私を見捨てない貴方が好き。今日の予定は未定です。朝ごはん代わりにペットボトルのお茶を飲んで、顔を洗う。メイクをする必要は無いので、しっかり保湿だけ。たまにしないでかさかさになる。一応起きる儀式としてそれだけはするが、身体は言う事を聞かず、目眩や頭痛で邪魔をしてくる。逆らえない。寝床に戻り、再度横たわる。暖かくして横たわっていれば少しはまし。一時期は眠りから覚めることが困難だったのだからまあいいでしょう。身体はだるいが思考は起きているので適度な刺激を望む。YouTubeやprimevideoで予定調和の動画を眺める。思っている以上に体調が悪ければこのタイミングで寝落ちできるので楽。最悪なのは目眩や頭痛に苛まれながらも、眠ることすら出来ない時だから。大丈夫と判断出来たら、資格試験解説の動画を眺める。問題集を購入して机に向かいたいところだが、起き上がってしばらくするとこめかみのあたりがさらに痛み出すので却下で。人の多いところに苦もなく出かけていた頃の自分の思考回路を知りたい。何を考えて生きていたんだろうか。

そうこうするうちに19時。仕事を終えた恋人から着信。家に帰りつくまでの小一時間、電話で構ってくれる。今日もお仕事お疲れさま。大好き。――ありがとう。今日はなにしてた?ゆっくり眠れた? たわいもない話を続け、恋人が家へと辿り着く。おかえりなさい。ゆっくりしてね。恋人が眠る支度をして、また電話をくれることを私は知っている。

炊飯器に野菜を放り込み、早炊き。その間にシャワーを浴びる。食事をし、歯を磨く。そういえばいつの間にか一日一食の生活を送るようになっていた。体重も変わらないし別にいいでしょう。

電話が鳴る。疲れ切った恋人がおやすみと言ってくれる。おやすみなさい、愛してるよ。貴方が幸せに眠れますように。すぐ眠ってしまう恋人の寝息を聞き、ある程度で電話を切る。

おやすみなさいを言ったはいいものの、1人ではなかなか眠れない。時計の秒針の音にうんざりして、気を紛らわすためのフリック音。吐き出される毒にも薬にもならない雑文たち。

読んでくださったあなた、ありがとうございます。

ゆっくりおやすみなさい。よい夜を。